Nature ナチュール NPOさんさんくらぶ事務局便り

Vol.112
2023年5月25日
発行:NPOさんさんくらぶ事務局
会員数:正会員38人 賛助会員募集中

合歓の里 里山工作室

里山工作 葉っぱプリント / 2023年5月14日(日)
≪子どもゆめ基金助成活動≫

今日は曇り空の中、雨を心配しながらでしたが田んぼの活動をしました。6月上旬の田植えに向けて田んぼの方は、大人が畔塗りに取り掛かりました。子どもたちは、葉っぱをスタンプにしてハンカチやTシャツなどの布に模様をつける工作をしました。まずは、自分が模様にしたい好きな形の葉っぱを採りに行きます。そして葉っぱを布の上に並べてデザインを決めます。そして、葉っぱの裏側に布用の絵の具を筆で塗り、塗り終わったら絵の具を塗った面を下にして布に葉っぱを置きます。その上に新聞紙をひいて手の握りこぶしを馬簾代わりにして絵の具が布にしっかりつくようにこすります。そっと葉っぱをはがすと、模様がきれいに映しされます。シダの葉っぱをカラフルに色付けしたり、三つ葉のクローバーをスタンプした後に一つ葉っぱを加えて四葉のクローバーに改造してみたり、思い思いに色と模様を楽しみました。参加者の中には、古着のTシャツを持ってきた方もいて、かわいくリメイクできました。そして、葉っぱにはいろいろな形があること、そして葉っぱには水を運ぶための葉脈がたくさん張り巡らされていることを学びました。工作に取り組んでいる傍らでは、倉品先生のご指導の下、お母さん方や子どもたちがせっせと窯焼きピザにも取り組み、作品を乾かす間、とろけるピザにみんなで舌鼓を打ちました。

(光橋 翠)

*おまけの話*田んぼでのちょっとした自然のお話*

その日、参加者の中に4歳になったばかりの男の子がいました。小さな虫カゴをもって、オタマジャクシが見たいと言っています。そこで、子どもたちみんなで大捜索。田んぼはちょうどヒキガエルのオタマジャクシが陸に上がったばかり、で次に田んぼに来るアマガエルの卵が浮かんでいるという中間の時期で、あんなにいたオタマジャクシが嘘のように見当たりません。とうとう一匹、少し足の生えかかったオタマジャクシを発見。この男の子はオタマジャクシに触ることを楽しみにしていました。そこで私は、男の子が触りたければ触っても良いとは思いつつも、男の子とお母さんに一言添えました。「オタマジャクシは人間が触るとやけどしちゃうんだよ。オタマジャクシは冷たい水の中にいて温度が低いからね、人間が触るととっても熱く感じるんだって。」私はいったんその場から離れましたが、活動が終わった帰り際に、その男の子が私のところに来てこう言ったのです。「オタマジャクシ、温度、変わらなかったよ。」私はどういう意味かなと思っていたら、お母さんが教えてくれました。「結局、この子、オタマジャクシを触らなかったんですよ。やけどしちゃったら大変だねってことになって。オタマジャクシを入れていた紙コップを小さく切って手のひらに置いたんです。それから田んぼに還しました。あの子はうまく言えなかったんですが、『温度が変わらなかった』とはそういう意味なんです。」やけどの話を聞いたお母さんと男の子は、話し合ってそう結論を出したのでした。子どもができるだけオタマジャクシに近づけるように紙コップを小さく切って手のひらにおいてあげたこのお母さんは、子どもの気持ちとオタマジャクシの気持ちの両方に心配りをしたのでした。田んぼは、カエルもネムノキも土も空気もみんなが協力し合ってできる空間。ここは人間だけが存在する世界ではないことに少しずつ気づいていくひと時でした。


おひげズ.com

さんさんくらぶは20歳になりました!

NPO法人さんさんくらぶが産声を上げたのは2003年2月のことでした。早くも丸々20年が経過したことになります。設立当初はまだ「さんさん幼児園」も健在でしたからNPOは幼児園と二人三脚でやってきました。さんさんを卒園した子どもたちの大多数がくらぶの運営する「里山自然学校」に入って毎月一度の里山例会や夏・冬のキャンプ活動を楽しみました。ファミリー音楽会も最初の2回までは幼児園と並走していました。

2009年春に幼児園が閉じてからは、さんさんくらぶは自立してさまざまな活動に取り組みました。卒園生が集まる自然学校に田んぼのプログラムが加わりました。音楽会は、さんさん母でありオペラ歌手でもある福田美樹子さんの指導でオペラの比重が高まり、ついには大ホールでの「里山物語」そして「皇帝とウグイス」の公演を成功させたのはまだ記憶に新しいところです。自然と音楽という2つの柱を軸に、多種多彩なイベントに取り組んで「まち起こし」に挑戦してきた20年でした。

くらぶが始まったころは、おひげも還暦とはいいながらまだまだ若々しかった?はずですが、今年はとうとう80歳、いわゆる傘寿を迎えました。その節目の年の記念として、改めてさんさん幼児園とさんさんくらぶの目指したもの、やってきたことをまとめた本を作っています。

乞うご期待。

(おひげ)


合歓の里・畑日記

「私のはたけ仕事」

合歓の里の畑仕事を手伝うようになったのは、3年前からです。以前から妻が入っている「畑チーム」の一人が出産のため、ピンチヒッター耕夫として呼ばれたのがきっかけです。

普段は仕事でPCの前でほとんどの時間を過ごす生活ですが、里山の中で作業に汗を流す時間はとても充実しています。体を使ってもくもくと労働するのは、もともと好きなほうです。農作業の師匠の天野さんによると、理系の人は草取りのやり方が違うのだそうです。草取りも耕運機で耕すのも、理系の私はつい細部にこだわりながら作業に没頭してしまいます。ただ要領が悪いので、はたして耕夫に向いているか自信がありません。

畑では、玉ねぎ、里芋などを育てています。土壌が合っているのか、里芋は大変よく育ちます。農耕民族のDNAの業でしょうか、やはり豊作はうれしいです。育てた里芋を芋煮会で使ってもらい、皆おいしそうに食べている様子を見るのは、この上ない喜びです。

この季節、あっという間に雑草が繁茂します。炎天下での草取りはキツイです。こんな小さな畑ではなく、本格的に自然農法で作物を作ろうと思ったら、相当な労働が必要でしょう。値上がりしたとはいえ、まだ日本の野菜は安いと思います。日本の農業が、もっと若い人がやりたくなるような魅力的な仕事になればいいのに、と願ってやみません。

(土橋 淳)


NPOさんさんくらぶ 第20回 総会

【日 時】2023年6月17日(土)10時~12時
【会 場】パルテノン多摩・会議室2
総会資料をお送りします。
返信用葉書で出欠のご連絡をお願い致します。


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